2011年 02月 11日
樫村鋭一『Le Vacanze Fotografie : Italia 1995』、私家版、2010年、カラー。 イタリアの避暑地の海岸風景をミノックスで撮っている。タイトルからすると1995年に撮られたものであると推察されるけど、こういうところの風景は10年や20年でそれほど変わるようには思えないのであまり関係ない。ペプシやコカコーラの看板がないのが素敵。ミノックスのようなカメラで撮るとついついフレーミングがおろそかになってしまうところ、本書に収録されている写真はすみずみまで神経が行き届いていて、トイカメラくささがない(ミノックスはトイカメラじゃないけど)。ハーフ判のカメラなんかもそうだけど、ゆるいカメラでしっかり撮るのは難しいのだ。 発色の淡さが極小ネガの粒子の粗さを適度に抑えて、精緻なイメージを作っている。レンズが優秀なのか、フィルムの解像度を超えて結像している感じがする。ミノックスならではの被写界深度の深さも効果的に作用して夢の中の1シーンのようだ。 本書は新刊なので、アート系の本を扱っているお店で普通に手に入る。自分はSO BOOKSさんで買った。
by yas_tak
| 2011-02-11 16:46
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