2011年 10月 20日

『剪定』

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『剪定』 Panasonic LUMIX DMC-G1 G14mm/2.5 @富久町・東京

 曇り。
 
 下村湖人の「次郎物語」を読んでいる。本作は幼少期に里子に出された「次郎」の心身の成長をテーマにしていて、児童文学として扱われることが多いのだが、子供にはちょっと難しいんじゃないかなとも思う。自分も子供の頃に読んだのだが、文章は平易で、子供の視点で物語が進むのはいいんだけど、次郎のちょっと屈折した心の揺れが、小学生の自分にはどうにもくすぐったくて感情移入がしにくかった。それが今あらためて読んでみると、次郎と周囲の大人の心の動きを一歩引いたところから描写する作者に近い視点で物語を追うことができて、ずいぶん印象が異なる。

 そういうわけで、本書は小学生向けの問題集や読書感想文のテーマに選ばれることが多いらしいが、これを子供にドヤ顔してすすめる人はいかがなものかと思う。それで「このときの次郎の気持ちを20文字以内でまとめなさい。」なんて、感受性の豊かな子供にとっては、隠していた心のひだを暴かれるようなもので、ちょっとしたパワハラだ。

 読んだことのない人は青空文庫でどうぞ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001097/card43792.html

■本日のBGM:コバルトの季節の中で/沢田研二
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by yas_tak | 2011-10-20 23:20 | 日記 | Comments(2)
Commented by hidetake at 2011-10-21 16:10 x
「次郎物語」は「にんじん」とともに、子供が読むと「えーっ」という展開になっていましたね。入試においては、ちょっと読み取りが文学鑑賞的に過ぎて、出題はされにくくなっています。母親である「お民」の心情も読めないと、ちょっと今の小学生にはきつい内容です。
Commented by yas_tak at 2011-10-24 23:58
児童文学として読まされる作品も、今思えば辛いものが多いですよね。
「車輪の下」もへこんだなあ。中学受験の子供に読ませたら勉強しなくなりそうです。


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