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2012年 02月 05日

『記憶の風景』村井修

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村井修『記憶の風景』自費出版、1989年、モノクロ。

 建築写真で有名な村井修さんの自費出版本。都市風景ではなく街角スナップ。
 
 昭和30年代の東京の街角スナップ。人物もしっかり写っているのだけど、多くは都市風景を際だたせるための存在であり、大きさの比較のために置かれた500円硬貨みたいなアプローチ。春日昌昭さんの写真と同じような距離感を感じたけど、見比べてみると全然違った。撮影年代が10年違うからか。

 自身が「私は建築写真家ではなく、写真家がたまたま建築物を撮っているのです」と語っておられるように、村井修さんの写真は、建造物とそれを取り巻く環境を丁寧に撮影していくところが評価されているので、こういう「建築写真ではない写真」を集めた本は芸術的価値のみならず資料的価値も高いと思う。

 そんなわけで、村井さんのネームバリューと、写真の面白さ、本の希少性なんかを考慮すると結構な値段するんじゃないかと思っていたのだが、自分が買ったときはアマチュア写真家の自費出版本のような扱いで売られていた。こういうジャンルは人気ないのか。

村井修さんのHP
http://www.o-murai.com/

by yas_tak | 2012-02-05 16:19 | 写真集


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