2014年 06月 01日
田中長徳『ベトナムデジタル紀行』、アルファベータ刊、2002年、カラー。 リコーのコンパクトデジタルカメラCaplio RR30のテスト撮影の仕事から強引にひねり出した写真集。チョートクさんの作品集として、初アジア(日本以外の)&初フルデジタルであることの意義が強調されているけど、やっつけっぽい企画であるのは否めない。 そういうわけで、本書は全編RICOH Caplio RR30というコンパクトデジタルカメラで撮影されている。ちなみにスペックは以下のとおり。 RICOH Caplio RR30 2002年9月発売 撮像素子:1/2.7型原色CCD (総画素数 334万画素)、2048×1536、1280×960、640×480 レンズ: 5群6枚 F:2.6~4.7 ズーム:3倍ズーム f:5.5~16.5mm (35mm換算 35~105mm) 記録媒体:SDメモリーカード(3.3V)、マルチメディアカード、内蔵メモリー(8MB) ファインダー:実像式光学ズームファインダー 液晶モニター:1.6型 透過型アモルファスシリコンTFT液晶 約8万画素 http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/dc/past/caplio/rr30/ 10年以上も前のコンパクトデジタルカメラだからいろいろしょうがないところもあるとして、当時としては300万画素にしては激安、撮影のレスポンスが驚異的に早い、マクロ撮影もばっちり、というかなりがんばった仕様だった。 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/10980.html 写真は300万画素ならこんなものというより10年前ならこんなものという感じ。さすがにジャギーは目立たないけど色もディテールも不足気味。写真もぱっとしないしこの本を見てこのカメラを買う人はいないじゃないか。ただ、これはカメラが悪いんじゃなくて、デジタル写真を扱うノウハウを持ち合わせてなかった出版側の問題だったんじゃないかなという気もする。 岩合光昭さんが2001年に出した200万画素のデジタル一眼レフカメラの写真集が圧倒的高画質だっただけに、この落差が気になる。
by yas_tak
| 2014-06-01 08:19
| 写真集
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