2008年 04月 06日
Alain Blondel, Laurnt Sully Jaulmes『UN SIECLE PASSE』Carre刊。モノクロ、1994年。 英語にすると"A Past Century"、「過ぎ去った100年」「この100年」とか訳すのかな。いわゆる定点観測モノで、古い絵はがきなどに残っている写真(1900年前後に撮影)を頼りに、100年前と同じ場所を同じアングルで撮影して、それらを並べたもの。1900年、1970年、1990年と3枚並べてあって、ほぼ1世紀にわたる街の変遷が興味深い。1900年と本書出版時の1990年はいいとして、間の1970年の写真はどうやって持ってきたのか。ずっと継続してやっているのか、以前に1900年→1970年という企画でやったことがあるのかどちらかだと思うけど、いずれにしても息の長い仕事だ。 ヨーロッパの街では、100年というのはそんなに長い期間ではない。馬車が自動車に変わったとか石畳がアスファルト舗装されているとかそういうのはあるけど、街の景観自体は驚くほどよく保存されている。日本で100年前と現在との対比なんてやってもあまりに違いすぎてつまらないと思う。 こういう仕事は漫然と同じ場所で撮ってもふ~んという感じで面白くない。アングルから光線の状態に至るまで、細部を徹底的に詰めてこそ3枚並べる意義がある。本書はそういうところにも手抜きがない。
by yas_tak
| 2008-04-06 23:22
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