2008年 06月 26日
Gabriele Basilico『Gabriele Basilico』Phaidon刊。モノクロ、2001年。 建築家としても著名なGabriele Basilico(伊)の写真集。Francesco Bonami編。飯田鉄さんの「街区の眺め」シリーズを思い出した。作家名がそのままタイトルになっているところからも、本書はベスト・オブ・バジリコといったところか。 坦々とした都市風景写真はどれも人物や自動車など生活を感じさせるようなものが少なく、どっか打ち棄てられた街のよう。 これは勝手な想像なんだけど、イタリア人ってローマ時代の遺跡と近代的な建築が混在しているところで育っているので、子供の頃から廃墟慣れしているというか、(コンクリート建築を含めた)石造りの建物に対する見方が、我々とはちょっと違うんじゃないかと思う。 日本で廃墟写真というと病院跡や遊園地跡に雑草がぼうぼうというのが多いんだけど、Gabriele Basilicoの撮る写真は廃墟が廃墟としてとどまり続けているかのようなそういうイメージ。日本だと地方都市の寂れた商店街とか歓楽街とかそういうのを撮る人の感覚に近いモノを感じる。スケールが違うけどね。廃墟というとすぐ炭坑跡とか工場跡を連想する人に見て欲しい。 あ、ちなみにBasilicoさんの写真はあくまで都市景観であり、廃墟はサブカテゴリです、念のため。
by yas_tak
| 2008-06-26 22:27
| 写真集
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